坂バカ鍼灸師のQすけです。
ThePEAKS当日3:30、相部屋皆さんのアラームが一斉に鳴り響き「闘いだ!」と言わんばかりに同時にガバッと起き上がり電気が点きます。
Taroさんと私で朝食をとりにいきます。
持った時のズッシリ感がすごい、シッカリとした朝食を宿が用意してくださいました。
朝の腹ごしらえは十分です!
バイクチェック〜スタート前
ライト、テールランプ、ベルを装備してあることを確認してスタートのリストバンドをもらいます。私は第2スタートのオレンジ。制限時間は12時間です。
相部屋のHideさんと一緒にスタートします。
Hideさんは生粋のブルベサイクリスト。この日は悪路対策としてチューブを4本備えていたそうです。ブルベを走られている方々は情報収集と準備が万端でたくましさを感じます。
さぁ、いよいよスタート!自分との戦いが始まります。
ノースルートの作戦
「ST1まで(赤)は頑張る、ST2開始までの下り(青)は安全第一、ST2まで(黄)は心拍を上げない登り、折り返し地点のCP1まで(緑)は惰性、もしくはトレインを組む。
補給をしっかりと行えば序盤(赤)を頑張っても問題ないだろう…という作戦でした。
まさかこれが地獄への入り口になろうとは…
ノースルートスタート
スタート直後、ダムへ駆け上る急勾配へと向かいます。
ライトが必須な暗がりの中を剛脚サイクリスト方々が颯爽と坂を登っていき、テールランプが上の方へと伸びていきます。
上り坂でエンジンがかかったのでHideさんとは一度ここでバラけます。
登るにつれて夜が明けていき、川沿いのアップダウンを繰り返しながら平坦区間を走ります。ここで後続から速い方々が追い抜いていきトレインを組もうと思いますが、頑張ってペースを上げて消費してはこれから長く続くであろう登りや後半でのエネルギー切れが怖いので無理をせず千切れて単品で進みました。
そこへ同じオレンジグループで後方スタートしたダイヤモンドキングTenguさんが追い上げてきて合流しました。
同じ考えでエネルギー温存のために追い抜いていった集団からあえて千切れたそうです。
Tenguさんはやっぱり速いですが、ペースを抑えてくれていることもあり大台ヶ原ヒルクライムコースに入る橋まで後ろにつかせていただきました。
ここにモニュメントがあると聞いていたのでTenguさんとはここで別れます。(というか速すぎてこれ以上ついていくと早々に終わります…)
え?「写真を撮る余裕があるのか…」って?
もちろんありません!
が、おそらくもう同じコースを訪れる機会がなく、写真に収めるチャンスは二度とないことを考えるとシャッターチャンスは逃せないと…「写真を撮っておけばよかったなぁ…」というゴールも悔しいので時短でパシャリ!
ここから約30km、1400mアップ…今回のコースで最高地点までの最長ヒルクライムが始まります。
個人的にはこのST1までの区間が勝負所だと思っていました。
なぜならスタート地点まで戻るCP1で足切りタイムがあることと、パンクが起きてしまった際のリカバリーの時間が必要になるかもしれないので少しでも余裕をもって後半に進めるためにもタイム貯金を作るココが勝負所。
趣のある建物の街並みを抜けて大自然の中へと駆け抜けていきます。
だいぶ道もガレてきましたが想定の範囲内。しかし早くもチラホラとパンク修理をなさる方々をパスしていきます。
この辺りでフォロワーさんの『ジュンレーサーさん』とエンカしました。メカトラブルで上りにくそうに走られており、後ほど話を聞くとホイールが破損してドライブトレインが故障してしまったそうです。タイヤ選択で悩んでいたところアドバイスをいただいたのでお別れをするのがとても心苦しかった…
大台ヶ原ヒルクライムはまだまだ続きます。
頑張る区間だとしてもなるべく踏まずに脚を回し、順調に登り続けると奈良県が誇る山々のとても綺麗な稜線が目に入る中、ゴールの見えない空へ続くような道を走り続けます。
すると相部屋の『激坂さん』が重量級のファットバイクでゴリゴリと登っています。
「もう帰る」「なんでこのバイクで来たんだろう」「もう帰る」と仕切りに口に出していましたが、正直全く心配していませんでした(ゴメンなさい)
なぜならこの御方は剛脚で有名、PEAKSもド変態でクリア。絶対に大丈夫と思っていましたから!
しかし重いファットバイクの中でもより太いタイヤを選択し戦車のような音を出して登られている姿は圧巻です。
ドライブウェイに合流してからもST1までの道のりは長い…
霧が立ち込めてくる中、【吉野熊野国立公園大台ヶ原】に7:45到着。
ST1大台ヶ原
ST1、そしてエイドステーション1です。
ここまで2時間30分経過、割と良いペースだったと思います。
おにぎり1、バナナ1.5、ゼリー1、リアルゴールド1を補給
ウィンドブレーカーをまとい、ここから長いダウンヒルの始まりです。
視界に広がる稜線が本当に綺麗で、思わず停車して写真に収めてしまいました。
ここからST2まで2、3件のパンク修理を見かけ、落車をされて動けなくなった方も見ました。
今回のPEAKSは本当にハードです。
先にあるAS2には寄らずにST2の【行者還トンネル】に向かいます。
ここから心拍が上がらないように低負荷で回して登ることを意識しました。
なかなか道の荒れが厳しくなってきました。
途中、足攣りがひどく路肩で休まれている方がいらっしゃったので「塩タブ持ってますか?」とお声がけしたところ「ないんです…」とお困りだったので、停車してエイドでいただいた塩タブをお裾分けしました。無事に回復していたことをお祈りしております。
停まっていたら後方から『Taroさん』『Hideさん』『コケシさん』と合流。
世間話をしながらST2を目指しますが、脚の合う方々と話しながら登るとアッという間に着いてしまいました。
ST2行者還トンネル
本来はこのトンネルを越えてチェックだったのですが、崩落が発生したため通行止めとなり10km近く距離が短くなったそうで、ST2はトンネル前でのチェックだけなので、さっさと引き返してエイドに寄るとします。
エイドステーション2ではバスで一緒だった運営スタッフの『みっちーさん』が明るい笑顔と元気の出る声で補給食を配ってくださいました。
これで元気をもらった方は多いはず。
ここではあんぱん1、バナナ1、ゼリー1、リアルゴールド1を補給
ここからCP1まで平坦区間が続きます。
頑張らずに惰性で行こうと進んでいましたが、またしても後方より『Taroさん』と『Hideさん』と合流。
相部屋の縁が深くありがたいです。
トレインで進もうと思っていたのですが、ここで急に足が攣り出す…力が入らない…そんなにスピードが出ているわけではないのに速度が保てない…その感覚は今までイヤというほど味わってきました。
水分もちゃんと摂っているはずなのに…
皆さんに迷惑をかけるわけにはいかないので私は千切れて先に進んでもらうことにしました。
嫌な予感は的中…空腹感を感じてきました…ヤツです…
ハンガーノック!
十分注意して食べていたはずなのに燃料切れを起こしてしまいました。
スタート地点のきなりの郷CPまであと少し…後方から「激坂さん」を含む6.7人くらいのトレインに乗ろうにも力が入らずパス。
いくつかトンネルを抜けてダム上を通過。
下に見えるのは下北山スポーツ公園。あそこまであと少し…
湿った下りのグレーチングで落車されている方もおり、意識朦朧としながらも十分に気をつけて走ります。
CP1下北山スポーツ公園
ヘロヘロになりながら無事に到着。11:00を目標としていたので予定よりも早く到着できたので上出来です。
待ってました!ThePEAKS名物のカレー!
何かヤバい成分が入っているんじゃないか?と噂されるくらいに中毒性のある美味いカレーです。
おにぎり×2、カレー、ジンジャーエール、バナナを補給します。
しかし一度ハンガーノックを起こすと、エネルギーが全身に行き渡るまで時間を要します。
もっと詳しく言えば、その日は完全回復しないのではないかというくらいのダメージです。
Hideさんが心配してエネ餅(塩味)を分けてくださいました。
エイドを用意してくださっているから補給食は大丈夫だろうと甘い考えで臨んでしまった罰です。
これはThe PEAKS…甘い闘いではないのだとカレーを空腹に流し込みながら後半戦に続きます。
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