サウスルートは瀕死状態ということもあり写真が少なくなっております。
サウスルート出発
CP1で合流した『Taroさん』『Hideさん』は先に出発。
私はなるべくエネルギー回復に努めますが足切りタイムも心配なのでユックリもしていられません。
負荷をかけずに走りながら全身にエネルギー供給をされるようにしないとなりませんでした。
ここから長いサウスルートの闘いが始まることを覚悟していると、同じバスツアーで奈良公園散策をご一緒していただいた『チハルさん』が途中まで一緒に行こうとお声がけくださいました。
私と同じ2回目クリアをかけての挑戦だそうです。
『チハルさん』は背中にロックアイスを背負ってアイシング(トレーニング?)しながらリスタートされてました。本当に小まめに水分を摂取しているのです。これは見習わないといけません。
意識が朦朧としているのでちゃんと受け答えできていたか少々不安ですが、ゆっくりのペースで走りながら会話できることは正気を保つのに大変助かりました。
瀕死状態の背中を撮っていただきました。
安全を機して急勾配の内側をクルクルッと回して登っても心拍が150にも上がらない…心拍が上がらないので血液が供給されずに脱力してしまいます。最初から脚が回らないわけではないので、終わっているわけではないのは自覚できました。
しかしスピードが上がらずにご迷惑をおかけしてしまうので『チハルさん』とはここで千切れます。
ありがとうございました。
ヘロヘロの瀕死状態で何人にもパスをされます。
例えるなら燃料切れのエンジンのようにノッキングをするようなイメージでしょうか。
ST3までは登りが続き、そこに重なりコースマップでは恐ろしいくらいの勾配表示があります。
トンがってますでしょう?
「さすがにトンネルでのGPS誤差じゃないのコレ?」という意見がありますが、これはThe PEAKS、舐めると痛い目にあいます。
どうなるかはわかりませんが、ここまで頑張って登り続けます。登れないところは押して歩いてしまえばいいのですからね。
ん、ちょっと待てよ…
このまま乗っていたらエネルギーは枯渇する一方じゃないの?
携行補給食はゼリー1.ブラックサンダー2.塩タブ2、『Hideさん』からいただいたエネ餅1。
もしかして足りないんじゃないか…?
さっきCP1で補給したはずなのに…もう空腹感…
停まってエネルギー補給するか…いや、停まっている時間はないし、身体が強張って動けなくなってしまう。
となると、歩きながら補給だ!
歩きながらエネ餅をモグモグ…うん、美味い!『Hideさん』ありがとう!
急勾配では歩くのと乗るのでは速度差が少なくなります。
蛇行しながらキツい登り区間を登られる方々を横目に大きく腕を振り、大きく歩幅を広げながら、口にブラックサンダーを頬張りボリボリしながら歩いていると「歩くのとそんなに変わらんね…」と声をかけていただきました。
後で知ったのですが有名な『楊貴妃さん』でした。
「いや〜、恥ずかしながら燃料切れになってしまいまして…」と会話ができたおかげか、ブラックサンダー効果か、意識が鮮明になってきました。
ボーッとしていた時はこんな感じの灰色だった世界観でしたが…
エンジンがかり、色鮮やかに鮮明に見えてきたのです。
写真で初めて気づきましたが、サウスルートもこんなに良い道を走っていたんですね。
「ブルルンっ!」とエンジンがかかったようでした。
バイクにまたがり脚を回します。
完全とは言えませんが、なんとか力が入るようになりました。
おそらくチョコのニトロ作用が強かったのではないか。もしくは低GI食品の遅延効果が効いてきたのかもしれない。そして『楊貴妃さん』の優しさ効果。なんにせよ復活してきたのは間違いない。
歩きながらも補給をする作戦でトンガリポイントまで進みます。
するとやはり!
トンガリは長いトンネル区間でした(本当に助かった…)
ここからST3までアップダウンを繰り返すコース。登り返しで捕まるとしんどくなりそうなので、ダウンヒルの勢いを殺さないように気をつけながら進んでいると『チハルさん』が。
「少し回復できました〜!」とパスすると、後ほど「心配することもなかった。」というコメントをいただくくらいの走りはできていたようです。
ST3空中の村
CP2、足切りタイムも無事にクリアしてエイドステーション4も兼ねているST3に到着。
ここで後続から『激坂さん』も到着。
「おにぎりとポテチの相性がいいんだよ。」とアドバイスをいただきました。
確かに塩気でご飯が進みますね。
おにぎり1、バナナ1、オレンジ1、ゼリー1、チョコ2、リアルゴールド1を補給します。
ここを最後の補給ポイントとして帰路には寄らない予定だったので、ゼリー、ブラックサンダー、塩タブを携行させていただきました。
さぁ、リスタートです。
ST3への入り口が今回で最も激坂だったのではないかという説がありますがそのとうり。
急勾配もありますが、それに加えての苔、コケ、苔。
身近で落車された方が最も多かったポイントです。
私も何回かタイヤが空転した上に、対向車が続けてきたので肝を冷やした地点でした。
ST4玉置山展望台
ここからST4に向けて立ちこめる霧の中を進むヒルクライム。
キツい斜度が続く勾配区間で見えるのは先頭のテールランプのみ。
近づいて登りが終わったと思っては、霧がはれた先に新たなる登り坂。
こんな心を折るようなヒルクライムが幾度となく続く印象なので展望台や写真を撮ろうなどという意識は全くありませんでした。
しかし先頭集団が折り返して笑顔で応援してくれるエリアでした。
その中に『Tenguさん』が「ウェーイ!」と笑顔と大きな声でエールを送ってくださいます。
続けて『Taroさん』『Hideさん』も降りてきます。
すると前方には『激坂さん』。
相部屋チームが全員頑張っている姿に足を引っ張るわけにはいきません!
そして今回のThePEAKS参加ではなさそうなイケおじ方のランドナー集団も降りてきて、「もう少しだよ!」とエールをくださいました。
心の垣根をなくしてくれる自転車って本当に素晴らしいですね!
視界不良の中、チェックを済ませて下山します。
先ほどエールをくださった先頭集団の気持ちがわかるダウンヒル、頑張って登ってくる方々にエールを送りたくなります。
その中に『チハルさん』が!「頑張って!後少し!」
そして『レモン姫』の姿も。かなり前を走っているはずでしたが、後日耳にした話やはり何か起きていたようです。「姫〜!頑張ってー!」と下山します。
ゴールへ
ここから最後の登りが始まります。
時間は 1時間ほど貯金がある感じでしょうか。
先ほどのAS4には寄らずに帰路につきます。
しかしデータが証明するように時間の経過とともに心拍が上がらなくなっています。
ここで避けなくてはいけないのはパンクやメカトラ、そしてハンガーノックです。
先ほどのトンネル区間までは登り貴重なので、どこかで「歩きながら補給作戦」を取り入れるべきだと判断しました。
お腹が減る前に補給…「まぁ疲れたから休んじゃえ!」と歩いていると後ろから戦車のようなタイヤ音が!
『激坂さん』です。「あれ?休憩?余裕だね?」と、隣にはThe PEAKSファット乗りで有名な『細さん』と談笑されながらゴリゴリ登っていきます。
ほらね、『激坂さん』は絶対大丈夫だと肌で感じていたんです。
さて燃料も補給できたことだし、ゴールまでラストスパート。時間的には問題なさそうなのでパンクリスクだけは最小限に意識を保ちリスタート。
するとザッと雨が降り始めます。
トンネルまで保つかと思いましたが、体を冷やすとエネルギー消費につながるのであらかじめウィンドブレーカーをまといます。
トンネルをくぐっても降り続けましたが安全第一でダウンヒル。
すると「パンクしちゃって…」と降りて押し歩きする方が…
「チューブありますよ!」と減速して停車しようとしますが「救援読んでいるので大丈夫です!」とのことでしたが、時間制限が大丈夫だったかいささか心配です。
ここからゴールまで住民方が沿道で「もう少しだよ!頑張れ!」と応援をしてくださいました。
これは本当に嬉しかった!
ゴールが見えると帰路につく先頭集団の方々が「頑張れ!」のお声がけ。
もう少しなんだ。終わってしまう…という寂しさとゴールの瞬間をどんなポーズで決めようか…なんて考えていましたが、撮っていただいた瞬間は立派なオネエポーズでした。
ゴールをすると相部屋仲間の『Hideさん』『Taroさん』『Tenguさん』が出迎えてくださいました。
皆さん速い!改めてスゴい方々と前泊を過ごしたんだな…と感無量です。
あとがき
今回、身をもって勉強したことはThePEAKSでハンガーノックは本当に地獄ということ。
日頃心拍が上がらないようにロングヒルクライムを試していたのですが、低血糖で本当に心拍が上がらなくなってしまって洒落にならなかったという結末でした。
今後の対応策として
- 1時間に一度強制的に補給食を口にする
- 急加速急発進はしない
- 怪しいと思ったらチョコなど高GIを摂る
- 1時間にボトル 1本空ける
これには日常的に気をつけていきたいと思います。
家につき清掃しているとなんと左足シューズのソールが剥がれていました。
なんだか左脚のダメージが深いのはこのせいだったかもしれません。
終わってみると今までのラウンドよりも10倍近いパンク発生率で過去2番目に低い完走率ということだったようです。
落車や転倒もありいかに過酷だったかということを物語っていると思います。
タイムを競わずに自分との戦いとなるThePEAKSは同じ目的を達成するために頑張る方と力を合わせる、人との縁を結んでくれるイベントのような気がします。
今回も貴重なご縁をたくさんいただいたので有難い限りです。
これで私のThe PEAKS奈良吉野は幕を閉じます。
昨今の落ち着かない事情が続く中で開催に着手していただいた運営の方々、受け入れてくれた地元の方々、同じ目的を達成しようと集まった仲間、全ての方々へ感謝に尽きます。
チルクライマーとしての要素が抜けないユルい私ですが10回フィニッシャーを目指して頑張りたいと思います。
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