BRMいわき600【復路】

坂に会いにいく

坂バカ鍼灸師のQすけです。

前回に引き続き、AJたまがわRRMいわき600の後編となります。

【往路】前編はコチラから

1:50、ガーミンウォッチやiPhoneのアラームが総動員されて目が覚めます。時間こそ短いけども深い睡眠には到達したようで、スッキリとリフレッシュした感じがありました。

右膝の痛みは…?

恐る恐るコンプレッションタイツを脱いで膝を屈伸…あれ?違和感はあるけどもそんなに痛くないぞ!

何回か屈伸を繰り返すごとに違和感も消失していきました。

「これは大丈夫な気がする!」

DNFとならずにリスタートの意欲が出ました。

きっとレモン姫からいただいたイチゴの抗炎症作用が効いたに違いありません!

「姫!本当にありがとうございました!」

いわき出発

復路の天気予報は往路の晴天追い風だった前日とはうって変わり、昼過ぎまでは時折強くなる雨、そして終始7〜10mの向かい風。

まさしく『行きは天国、帰りは地獄』

しかし立ち向かってクリアしてこそSR認定、超自転車乗りの称号に相応しい走力ですもんね。

2:05、夜中の冷え込みと雨に濡れて体温を奪われないように頭から足先までレインウェアを装備してホテルを出発します。

外に出るとポツポツと感じるものはあるものの、本降りの気配はなくてラッキー!

今回も本当に短い滞在時間だったけど、いわきには良い思い出しかありません。先ほどの賑わいがなくなり静まりかえった夜の街をリスタートします。

ここから海まではほぼ街灯がなかったような印象で車も人の気配もありませんでした。いつ本降りになってもおかしくない真っ暗なウェットな道を向かい風を受けながら進んでいきます。

3:00、ホテルから20kmほど進みPCセブンイレブンに到着

ここで朝食をとっていると数名の参加者がレシート入手して足早に先を急ぎます。皆さん出発前に朝食を摂られていらっしゃいますね。

私はこんな性格からか危機感がなくマイペースでリスタートしました。

向かい風に押されながら南下していると左手に見覚えのある建物が…

「新舞子ハイツだ!」

先日のいわき200kmブルベの発着地点です。するとこの先は…小名浜にかけて以前のブルベで走った道を進むことになります。

その時はThe PEAKSの方々とご一緒させていただき、ブルベとは思えないようなハイペースでシバかれたことを楽しく思い出しながら走っているとアッという間に小名浜漁港に到着。

いつも見なれている船橋港の漁船と比べて「これぞ漁船!」という大きさとライトアップされて迫力のある佇まいに思わず写真を収めました。

北茨城

陽も登り、雨足が強くなってきたのにも関わらず相変わらずの向かい風。

Googleマップ参照

チェックポイントではないのですがトイレ休憩と温かいものを補給したくコンビニへ。剛客の参加者の方々が雨の中をゴリゴリと進んでいくのを目の当たりにしながら、温かく甘いコーヒーと補給食のパンを齧りながら眺める私の温度差に違和感を覚えながら休憩。

Twitterで皆さんから応援と檄をいただき重い腰を上げてリスタートできました。

日立市に入っても冷たい雨と向かい風は止みません。

予報を見るとこの後に雨は上がるけども銚子にかけて風は強まる予報でした…

海岸沿いの浜辺がキレイだったので写真に収めますが、強風で時化る高い波と広がる曇天に苦笑いです。

大洗の大きな石造りの鳥居を通過しようとする頃に空腹感と眠気が…これはマズい、エネルギー切れの兆候…

時計を見るといつの間にか10:00近い…確かに走りっぱなしのうえ朝食から時間が経っています。

ここらでしっかりご飯を食べてリフレッシュしたい。「そうだ!休憩中に雨も上がるのでは?」

食事処の候補と挙げていた『かあちゃんの店』が10:00オープンということを思い出しました!

早速お店を探すことに走り出すと10:00前にも関わらず、すでに大行列ができている店…「あ、多分ソコなんだろうな…」

思ったとおり『かあちゃんの店』でした。

しかし別館があることを思い出し、運よく待たずに【まぐろ中落ち丼】を補給。

かあちゃんの店の記事はコチラから

食事が終わる頃には雨も上がり補給作戦大成功。

きっと…お腹も満たされてホワホワと呆けていたのでしょう…この時点で大事なことがスッカリ頭の中から消え去っていました。この後、絶望的な危機感を味わうこととも知らずに幸福感に満たされてリスタートです。

風は相変わらずですが雨がないだけでも快適です。濡れたウェアが風で体温を奪われないように、防風の意味合いでレインウェアを纏いながら大洗を後にしました。

PCのセブンイレブンで先ほどの【まぐろ中落ち丼】の余韻に浸りながら歯磨きをしていると後続の参加者の方々が先を急いでいく中、お一人の方が「あの…急がないんですか?」とお声がけくださいました。

Q「あ、急ぎますよ!ありがとうございます!」

参加者「ですよね?銚子で足切りクローズの時間がありますもんね…」

クローズ…?やべぇ…

ホテルを早く出発したのも、いわきで朝ごはん計画がなくなったのも、このクローズを回避するためだったのに…完っ全に忘れてた!歯ブラシ落としておしっこ漏らしそうなくらいの動揺でした

ということでここから銚子まで約60km少々、足切りまで2時間30分。しばらく写真を撮る余裕もなく全力疾走です。

頑張って走ってもレインウェアがパラシュートのように風の抵抗を受けてスピードが乗りません。

天気予報の雨マークは残りますが、一か八か全てのレインウェアを収納してエアロフォームを保ち前走する方々を抜いていきます。

先ほどお声がけいただいた方もそうですが、どうやら1時間後に出発されたウェーブの方々と同じ時間帯となるまでユックリしてしまっていた様子。

ユックリと前走されている方々は余裕で足切りクローズをクリアするペースで走られている可能性が高い…まさにレースさながら決してブルベのペースではない30kmオーバーの巡航でエアロフォームを保ちながら前走の方々を抜いていきます。

抜きざまに「おぉ!速い!」と褒められて嬉しくもなりますがコレには深いわけが…ただただ呑気にご飯食べてクローズを忘れてしまっていた結果、全力で頑張らなければ間に合わなず必死なだけなんです(笑)

風速10mオーバーの銚子大橋は本当に恐風でした。もし時間に余裕があったのならば押し歩きしたい…向こうからママチャリに乗ってくるご老人はペダルに足を乗せずに橋を渡ってきます。つまり漕がなくても背中から押されて進めるくらいの風がこちらにとっては猛威を振います。

だいぶ前に通過した輪友のI氏は安全第一で押し歩きされたそうです。

目標地点はすぐ近く、残り時間は30分。押し歩きでも余裕はありそうだがパンクなどのトラブルが起きないとも言い切れない。

横から煽られ、前から押されながらも頭下げて重心を低く保ち銚子大橋を進み渡りきります。

クローズ時間制限無事クリア!

時間を20分少々残してチェックポイントに間に合いました。

ここからゴールまで残すところあと100km。

今でもポツポツたまにザッと降る空模様の中、銚子から内陸に入り内房の船橋を目指します。

田園風景の中を走ると「千葉に帰ってきたんだなぁ」と感慨深くなります。

休憩をしながらキレイな夕焼けも見れて、最終PCにてI氏と合流。計算どうり足切りタイムをクリアして余力を残してゴールに向かいあたりサスガ熟練のブルベスターです。

無料開放となった外房有料道路を駆け抜けて千葉市街へ抜けます。

動物の飛び出し注意だそうですね。街路灯も消えており車通りがないと真っ暗闇で怖かったです。

内房の海岸線を走り無事にゴール。

Googleマップ参照

I氏は早速ノンアルで祝杯!私はというと結局、持っていた補給食も全て食べ尽くし休憩場所でいくら補給して腹ペコのハンガーノック状態でゴールしたので、甘々のミルクティーをガブ飲みしつつチョコをガジガジ(笑)

自己最長記録となる今回の600kmオーバーでしたが、幸い往路で出現した膝の痛みは復路では現れず、修正したペダリングが功を奏したのだと思われます。極限まで走ることで見えてくることや鍛えられるところがありますね。

何はともあれ無事に目標を達成できたことはとても嬉しく思います。

ご一緒してくださった方々、応援してくださった皆様、開催してくださった運営スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

あとがき

ゴール受付にて往路でご一緒したnamakoさんと再会!お互い別れた後からのツラい体験報告をしながら情報交換していると、どうやらこのブログを読んでくださっていて「Qすけ」というハンドルネームをご存知だったそうな!いやぁ本当に嬉しい限りです。

「ブログ書いててよかった〜♪」なんて気分上々で足取りも軽く近所の銭湯によってから帰ろうとミニベロに乗り換えて入浴。

ここで気持ち良くお湯に浸かった影響か、アドレナリンの魔法が解けて興奮状態がリセットされたようにもの凄い倦怠感…

ここから自宅までの輪行が実にキツかった…電車で目の前の席が空いても座る元気がない、と言うか一度座ると立てなくなるのではないかという考えで空いた席の前で立ってました(笑)

自宅に到着。家族が眠るなか忍足で布団の中に潜ります。

やはり静かな空間と温かく柔らかい布団が幸せ。

過酷な状況が教えてくれる体験でした。

これにて私の『目指せ!坂バカSR取得』は無事に達成となりました。

私個人の感想として200km、300kmのブルベは自転車旅気分で楽しめる距離だったと思い、これからも美味しいものめがけて参加してみようかな。なんて考えてます。

しかし400km、600kmは別…正直これは身体に良くないのではないか…と思います。というか私には過酷…1週間くらい続く時差ボケのような眠気と、いくら食べても空腹感(これが俗に言うブルベ腹か…)

これを毎年楽しんで走れられている方々は本当に強いと思います。まして1000kmオーバーとかスゴすぎてマヂリスペクトです。

私の脚質は200km走るよりも5000m登ったほうがラクなイメージ。600km走るならエベレスティングで8848m登った方が絶対ラク!というのが素直な感想でした。

何はともあれ目的を無事に達成できたのはとても嬉しく思います。

後日手元にメダルが届くことが楽しみです。

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